『あきない世傳 金と銀』いうたら、高田郁はんが書かはった、商いの世界を描いた人気の時代小説どすなぁ。
主人公の幸(さち)いう娘さんが商才を発揮して、五鈴屋いう呉服店を大きくしていかはるんやけど、この五鈴屋ちゅうお店、ほんまにあったんやろか?
今日は、その五鈴屋のモデルになった商家がどこなんか、じっくりと調べさせてもらいましたえ。
この記事を読むとわかること
- 『あきない世傳 金と銀』の五鈴屋のモデルとなった商家について
- 名古屋の「いとう呉服店」と宇多夫人の実在のエピソード
- 江戸時代の商いのリアルな描写と女性の商売への挑戦
『あきない世傳 金と銀』の五鈴屋はほんまにあったんかいな?
女将:「板長!あんたも観はりましたやろ?『あきない世傳 金と銀』のVOD!もう、ほんまに胸が熱うなってしもたわぁ!」
板長:「……ほう。ほな、また何か言いたいことがあるんやな。」
女将:「そやねん!あの五鈴屋、実際にあったお店なんやろか?なんか、ほんまにあった話みたいに感じるんやけど?」
板長:「ふむ……五鈴屋いうんは、大坂天満にあった呉服屋やな。作中では、伊勢の五十鈴川にちなんで名付けられたちゅう話やった。」
女将:「せやけど、ほんまにそんなお店があったんか、気になるやんか!」
板長:「まぁ、商いの話は昔から現代にも通じることが多い。せやから、リアリティがあるんかもしれんな。」
五鈴屋いうお店の特徴をおさらいしとこか
女将:「五鈴屋は、代々『徳兵衛』いう名前の店主が継いではるんよな?」
板長:「せやな。伊勢出身の初代が、古手の行商から始めて、天満の裏店で暖簾を掲げたんが始まりや。」
女将:「ほんまに、一代で呉服商にまでなるなんてすごい話やなぁ!」
板長:「二代目の頃に絹を扱うようになって、商売がどんどん大きくなっていったんや。」
女将:「そやそや!けど、三代目は早うに亡くなりはったんやね。それで孫たちが跡を継ぐことになったんやろ?」
板長:「そういうことやな。その孫の一人が、幸と結婚することになる四代目徳兵衛や。」
女将:「幸ちゃんは、最初は女衆(おなごし)として奉公しとったのに、いつの間にかご寮さんになってしもたもんなぁ。」
作者の高田郁はんが参考にしはった商家とは?
女将:「せやけど、五鈴屋がほんまにあったお店やないんやったら、どこかモデルになった商家があるんやろか?」
板長:「そやな。調べてみると、作者の高田郁はんは、名古屋の『いとう呉服店』を参考にしたらしいで。」
女将:「いとう呉服店?どこかで聞いたことあるような……」
板長:「今の松坂屋の前身や。」
女将:「ええっ!?松坂屋の元になったお店やったんかいな!」
板長:「そうや。江戸時代中期に、いとう呉服店の十代目店主になった女性がいてな、その人が店を大きくしたんや。」
女将:「あぁ、それが宇多夫人いうお人やね?」
五鈴屋のモデルは名古屋の「いとう呉服店」やて
女将:「いとう呉服店いうたら、どんなお店やったんやろ?」
板長:「もともとは名古屋の呉服商やったんやけどな、明和五年(1768年)に江戸・上野の松坂屋を買い取って、大きくしたんや。」
女将:「上野の松坂屋いうたら、あのデパートの元祖やないの!」
板長:「せやな。いとう呉服店自体も、代々の商売で培った信用があったからこそ、そんな大きな買い物ができたんやろう。」
女将:「ほんま、五鈴屋の話と重なるわぁ。」
宇多夫人の生涯と五鈴屋の共通点
女将:「それで、その宇多夫人いう人は、どんな人やったん?」
板長:「七代目店主に嫁いだけど、夫が早うに亡くなりはってな。そのあと、八代目、九代目の後添えになって、最後は自分が十代目店主になったんや。」
女将:「ほぉ……。そないに大変な人生を歩みはったんやなぁ。」
板長:「せやけど、それだけやない。大火事で店が焼けたときも、店の再建だけやのうて、被災者の支援までしはったんや。」
女将:「まるで幸ちゃんやないの!」
板長:「せやな。幸も何度も店の危機に直面したけど、決して諦めんと乗り越えてきた。」
女将:「やっぱり、宇多夫人の生き方が、幸ちゃんの姿に重なるんやねぇ。」
『あきない世傳 金と銀』のリアルな商い描写
女将:「ほんまに、このドラマ観てると、江戸時代の商売の仕組みがよう分かるなぁ。」
板長:「せやな。商いいうんは、時代が変わっても本質は同じや。信用を大事にすること、お客さんの気持ちを考えること……昔も今も、それが商売の基本や。」
女将:「幸ちゃんが商いを覚えていくシーン、めっちゃええなぁ!番頭の治兵衛はんが『商売往来』をこっそり教えてくれる場面なんて、感動してしまったわぁ!」
板長:「あれはええ場面やったな。江戸時代は、女は商売の表には出られん決まりやったけど、それを乗り越えて学び続けた幸の姿には胸を打たれる。」
女将:「ほんまやねぇ……せやけど、そんな決まりごとがあったなんて、知らんかったわ。」
江戸時代の商いのルールと女性の立場
女将:「昔の商売って、男の人ばっかりが前に立ってたんやろ?」
板長:「せや。大坂には『女名前禁止』いう決まりがあって、商売の世界に女の名前を出したらあかんかったんや。」
女将:「そんな時代に、幸ちゃんはようやったわぁ!五鈴屋の商売を支え、どんどん新しいことに挑戦しはったもんなぁ。」
板長:「そやな。あれはフィクションやけど、実際にも女将が商売を切り盛りしてた例はあった。いとう呉服店の宇多夫人もその一人や。」
女将:「確かに、女将さんの力はすごいもんなぁ……。ほんま、昔から商いの世界で活躍する女性はおったんやねぇ。」
板長:「表に出てへんだけでな。実際の商家でも、旦那が表で商売して、女将が裏で帳簿をつけて仕入れの管理をしてることは多かった。」
実在の歴史をもとに描かれたエピソード
女将:「せやけど、このドラマ、ほんまにリアルやなぁ。実際の歴史を元にしたエピソードがぎょうさんあるんやろ?」
板長:「せやな。例えば、幸が開発した新しい商品や、商売の工夫なんかは、江戸時代の商人が実際にやっとったことを参考にしてるらしいで。」
女将:「へぇ~、どんなエピソードがあるん?」
板長:「例えば、幸が『五鈴屋特製の反物』を作る話があるやろ?あれは、実際の呉服商が独自の商品を開発して差別化しとった歴史を元にしとるんや。」
女将:「なるほどなぁ!お店ごとに個性を出すって、今の商売と同じやねぇ。」
板長:「せや。あと、幕府の規制にどう対応するかとか、商人同士の駆け引きとか、そういう細かい部分も史実を参考にしとるんや。」
女将:「ほんま、昔の人も大変やったんやなぁ……。でも、そういう話があるからこそ、ドラマがリアルに感じるんやね。」
板長:「せやな。商いいうのは、ただ物を売るだけやなく、人との信頼が大事や。それが、この物語にはよう描かれとる。」
女将:「いやぁ~、こういう話を聞いたら、またVODで観直さなあかんわ!」
板長:「……ほどほどにな。」
まとめ:五鈴屋のモデルを知って、もっと物語を楽しみまひょ!
女将:「はぁ~、今回もええ話やったなぁ。五鈴屋のモデルが実際にあるかどうか、最初は気になってたけど、調べてみたらほんまに奥が深いわぁ!」
板長:「せやな。五鈴屋自体はフィクションやけど、いとう呉服店いう実在の商家がモデルになってるんやったら、ぐっとリアリティが増すやろ。」
女将:「ほんまやねぇ。宇多夫人の話なんて、まるで幸ちゃんそのものやったしなぁ!」
板長:「せやけど、ドラマが面白いのは、それだけやない。江戸時代の商いのリアルな描写も、時代小説としての魅力をぐっと高めてる。」
女将:「ほんまそれ!幸ちゃんの商売のやり方、今の時代に通じることも多いし、観てて勉強になるわぁ!」
板長:「それに、VODで何回も観られるから、細かいとこまでじっくり楽しめるのもええやろ。」
女将:「そうそう!私、もう何回観たか分からへんわ~!まだまだ観るで!」
板長:「……ええけど、寝不足にならんようにな。」
女将:「はいはい、分かってますえ。でも、やっぱり五鈴屋の商いの世界は、もっと深く知りたなるなぁ。」
板長:「そやな。ほんまもんの歴史を知ってから観ると、また違う視点で楽しめるやろうしな。」
女将:「せやねぇ……あんたも、もう一回最初から観直しまへんか?」
板長:「……まぁ、付き合ったるわ。」
女将:「ほな、今からVODつけるで!」
板長:「その前にな、ここで一つなぞかけを……」
女将:「あんたの料理にちなんだなぞかけやろ?ほな、聞いたろか。」
板長:「『あきない世傳 金と銀』とかけて、ワシの得意な炊き込みご飯と解く。」
女将:「ほう?その心は?」
板長:「どちらも、『一粒一粒が大事』や。」
女将:「……あんたが言うと、妙に説得力あるわぁ。」
板長:「料理も商いも、細かい積み重ねが大事やいうことや。」
女将:「ほな、VOD観る前に、あんたの炊き込みご飯、よばれましょか。せやけど……」
板長:「ん?」
女将:「最近のあんたの飯、ドラマほど感動せえへんのが玉に瑕やなぁ。」
この記事のまとめ
- 『あきない世傳 金と銀』の五鈴屋はフィクション
- モデルは名古屋の「いとう呉服店」で、松坂屋の前身
- 宇多夫人が女性経営者として店を支えた史実が反映
- 江戸時代の商いのルールや女性の商売の苦労も描写
- ドラマのリアルな商いのシーンが史実に基づいている
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